『正座と日本人』丁宗鐵(4)松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇
残念ながら、正座の謎はまだ解けない。そうこうしているうちに、いまでは、世界中で正座を正式儀礼としている民族は日本だけになっている。
東アジアでも生活習慣のなかでの一時の正座はあっても、それが儀礼化されることはあまりない。むしろお隣りの韓国がそうであるように、立て膝で立派な儀式をおこなうことが少なくない。イスラム圏も、儀礼の途中でいったん正座はするが、それが10分、30分、1時間に及ぶことはありえない。
日本のマナーはどこかでとんでもないものを取り入れたのだ。いや、作り上げたのだ。それが日本近代史によるものか、「道」に対する謹厳実直によるものか、それとも捩れた日本イデオロギーによるものか、このこと、そろそろ根底から問いなおしたほうがいい。
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